2008年に経営破綻した不動産会社のなかには、そうした反社会的勢力との関係が命取りになった企業が少なくない。6月に経営破綻したスルガコーポレーションはその典型といわれている。同社の場合、不動産ソリューション事業の一環として用地取得の交渉を委託していた会社の関係者が弁護士法違反の容疑で逃捕され、新聞・テレビなどのマスコミで、その逮捕された関係者が反社会的勢力と疑われる組織と関係しているのではないかと報道された。その結果、同社自体も反社会的勢力とつながっているのではないかという見方が広がってしまったのである。真偽のほどはどうであれ、そうした風聞が広がるだけで金融機関の態度は豹変する。銀行からの新規資金調達が困難になるだけではなく、取得した土地の売却も困難になってしまった。反社会的勢力と関係したかもしれない企業が売却する土地をそう簡単に購入する企業はない。その購入のための資金を出す銀行もないだけに、万事休することになる。スルガコーポレーションはマンション分譲などの形で、消費者と直接的に関係することは少ない会社だったが、それでもマイナスの風聞が広がるだけで、たちまち事業の遂行が困難になってしまう。企業コンプライアンスの徹底がいかに重要であるかを証明する破綻事例といえよう。10月に経営破綻したダイナシティにも同様のことがあてはまる。コンパクトマンションの「ダイナシティ」シリーズで急成長してきたが、2005年に当時の社長だった中山論氏が覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されるという不祥事を起こしている。しかも、創業者である中山一族はその後、ライブドアグループのライブドアファイナンス関連のファンドに株式を売却して資本・業務提携を結んで再建を図ったが、その直後にライブドア事件が発覚するという事態に陥った。覚醒剤取締法違反容疑だけでも社会的信用を大きく失墜したが、それにライブドア事件が拍車をかけることになる。その後、インボイスの系列に入って再建を期したが、折からの不動産市況の悪化、金融不安もあって、契約率低下、資金繰り悪化のなかで民事再生開始を申し立てるに至った。直接的な原因は不動産市場の悪化などにあるにしても、それ以前の当時の社長の不祥事、また提携関係を結んだ先のライブドアの不祥事と問題が噴出したことが遠因になっているといわれる。
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